「ごきチャ」1巻(るい・たまち)
- 作者: るい・たまち
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2012/07/26
- メディア: コミック
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発売前から(色々な意味で)噂を聞いていたゴキブリ擬人化4コマ。本物のゴキブリはともかく、ごきチャは本当に可愛い。学生時代ときメモ2にハマッていた身として、このビジュアルは100点満点*1。
ゴキブリのいない場所なら自分を嫌う人もいないだろうと北海道に疎開して来た「ごきチャ」だが、人間や動物に見つかるとやはり叩かれたり食べられそうになったりして酷い目に遭う、というのが大体の内容。
前述の通りごきチャ自身は可愛いので、そういう目に遭っていても「Gざまぁw」とは思えず、むしろ「こんな健気で可愛い子をいじめるなんて人間は酷い奴だ」とごきチャの方に肩入れしてしまう。ただ、当作品の人間にはおそらくごきチャが普通のゴキブリと同じように見えているはずなので、そういう意味では仕方ないかなとも思う。私だって、いざ目の前にゴキブリがいたら「こいつはゴキブリ界の中では美少女の部類に入る器量持ちかも知れない」なんて考える間もなく駆除するし。
ゴキブリの擬人化4コマということで、出オチ的な作品とも受け取れるが、実際に読んでみると意外に「しっかりした」作品だなと気付く。ごきチャ自身が可愛いのは言わずもがな、純粋に絵が上手い。ネタも分かりにくいものはほとんどなく、オーソドックスにごきチャが酷い目に遭うもの、人間や他の動物と心が通いかけるもの、人間との価値基準の違いを利用したもの、と幅広い。
今月中旬に発売された「しくしくしくし」も面白かったし、るい・たまちさんは私の中で「ゴキブリ擬人化4コマなんて描いてる変な人」から「実力のある漫画家」という評価に変わった。ごきチャも「しくしくしくし」も人外がメインの作品なので、機会があれば人間メインの学園ものとかも読んでみたい。
あと、少し気になった点が1つ。登場する度に違う仕事をしている、当作品の準レギュラーと言っても過言ではない「バイトのお姉さん」。ごきチャ自身はどうも、彼女のことを「よく見かける人間さん」と認識していないっぽい。単行本を最初から読み返してみても、ごきチャがバイトのお姉さんに対して「またあの人です」みたいなことを考えている描写がなかった*2。
作者が意図してそう描いているのか、単なる気のせいなのかは分からないが、もしかするとごきチャには人間の顔の区別が付いていないのかも知れない。私たち人間にゴキブリの見分けが付かないのと同じように。